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artとしての「メンヘラ」

ある女性芸能人がTwitter上で「メンヘラ」という語句を自嘲の意味で使用した。しかし、フォロー数が多いために社会的とりわけ若年層に影響が強いと見られたのか、差別発言であるとして攻撃的な一部のネットユーザーから攻撃の標的にされた。

「メンヘラ」という言葉は恐らく「メンタルヘルス」の略と思われる。つよく断定しないで推測口調なのは、精神医学にはもとよりそのような用語はないからであって、医療スタッフ以外の患者或は一般市民が勝手に言い始めた呼称に過ぎないからである。医療者はその種の人たちのことを「プシコ」と言う。もちろん、その呼称も差別的なので多くの人は使用を避ける。

あだ名に深遠な意味がないようにメンヘラと言う名称にも専門領域的にプラスもマイナスも意味がない。一部の連中が差別的ニュアンスと結びつけてその語句を使っているだけである。だから、メンヘラという語句を見て、それが精神異常・精神障害の人物を指す符牒であるとすべての人が直ちにわかるわけではない。もしかしたら、道具のヘラの一種と勘違いする人もいるかもしれない。だから、ある意味批判的な立場から騒いでいた連中も差別者の一人とも言えるわけである。

ただ、メンヘラと言う言葉は浸透しすぎた。若年層に影響の大きい芸能人も、そのTweetを見て批判した連中もその言葉を知っていた。その一因は、昨今の若年層のカルチャーとメンヘラ的なものの親和性の良さだろう。例えば、著名な前衛芸術家の中には本物の精神病患者がいる。彼らの作品は病的なものが見た支離滅裂な世界観に基づくものであるが、そこに深い意味があるに違いないと意味づけをする評論者が現れると、それは芸術や思想にすりかえられてしまう。それと同じように、奇をてらったものをアートだ、思想だ、と評価してしまう昨今のサブカルチャーのあり方がメンヘラの支離滅裂な世界観と親和性が良いのだろう。

本当は治療が必要な精神疾患でも、それを芸術、ファッションと言ってしまう。物事への異常な執着心をオタクという言葉ですり替える。サブカルチャーの世界には無数のメンヘラの逃げ込み場がある。

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