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はてなの決心高度

飛行機は初代塗装の日航DC-8が好きです。ちなみに飛行機の話題はゼロです。

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マクドナルドの業績低迷を喜ぶ風潮への疑問

かつては外食産業の最大手のような存在であり、なおかつマニュアル接客や独自の調理キッチン、ディスポーザブルの食器などこれまでの飲食店になかった革新的なシステムを日本に伝えた企業の位置にあったマクドナルドが苦戦しているという。

低迷の原因は狂牛病騒動だったのかもしれないが、それを言うならば昨今の飲食業界を再編して立ち直りつつある吉野家や、ここ10年で店舗数を増やしているすき家はどうかという話になる。

ただ、店頭に行ってみると低迷の原因は価格にあるように思う。

そもそも、マクドナルドの製造工程は牛丼屋と違って店舗の稼働コストがかかる。

牛丼ならば単一のメニューであり、あらかじめ煮込まれたものをご飯にかける、会計、食器の洗浄程度で済む。キッチンは解凍するか煮込む以外の工程は考えなくてよい。

ハンバーガーショップは違う。揚げ物、ハンバーガー、飲料の工程のレーンが分かれていて、さらに会計が分離されている。これらのキッチンは作り置きを減らして作り立てを提供する工夫なのだという。牛丼屋はご飯を炊いてしまったら売り切るか廃棄するしかないので食材ロスが一定数生じるのに比べれば、理論上は素晴らしい仕組みである。

だが、調理機材を入れるための広いスペースの確保と、それらを稼働させるために最低でも必要な人員数が多い。牛丼屋は最悪の場合一人で稼働できる。

最近はこの一人稼働も風当たりが強いが、これが低価格の理由の一つであることは間違いない。少数にあらゆることを押し付けることが可能な店舗運営だから、低価格が実現できるのだ。一番コストになるのは人間なのだ。客がいなくても発生する給与がコストなのだ。マクドナルドと違って食材のロスが一定生じても、会社の存続には影響しないのだ。

一方で、マクドナルドは調理機材の工程が分かれる他にも、数年前の名ばかり店長なるポジションに対する一部の批判もあって、これ以上社員を酷使できないという労使の問題を抱えている。また、労働相応の価格を設定して、給与として支払うためにも商品があの価格なのだろう。

それほど清潔でもない店内で、あの商品で、あの価格というのは納得がいかないかもしれないが、注文の時に店の奥でたくさんの店員が動いているだろう。あれだけの労力に支えられているのだから、彼らの労力が無償だなどと思わないで、相応のチップだと思って高い商品を買うべきであるし、一等地でそこそこ広い店内で時間を過ごすための場所代だと思って納得すべきなのだろう。

だから、表面的に業績低下のニュースを見てマクドナルドの凋落とか言って喜んでいるような連中は、ブラック企業と称する事業者の跋扈に手を貸している仲間みたいなものだと思えばよいのだ。大抵こんな言動で鬱憤を晴らして勝ったつもりになるのは社会の底辺だが、マクドナルドに石を投げて喜ぶほど、彼ら底辺を丁重に扱ってくれる企業が減少して低価格の代わりにスタッフを酷使して使い捨てし尽くすまでの期間限定の低価格サービスが跋扈し、それを運営している企業を繁栄させることになるだろう。

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